教師が転職を決めるのには「後ろ向きな理由」も、当然ですがあります。
私も教員から「後ろ向きな理由」も含めて転職した身なので、今回は私の経験ベースでその理由を3つまとめました。
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長時間労働から解放されるため
教員の長時間労働が社会問題化して久しいですが 、悲しいことに一向に改善される傾向はありません。
逆に、昨今の学習指導要領の改定で、
- アクティブラーニングの推進
- (小学校では)英語が教科化
- 道徳の教科化
などなど、世の中の「働き方改革」に逆行して現場の仕事量は増加する傾向にあります。
それでなくても、
- 毎日の授業準備
- 保護者対応
- 学校内行事(運動会とか学芸会とか)運営
- 特別支援対応
- 日々の授業
- ・・・
現場で働いていると、あっという間に時間が過ぎていきます。ゆっくり水を飲む暇がないスピードで。
給食も「給食指導」ですので休憩時間ではありません。配膳・食事・片付けの一連の流れを指導していかなければならないので、気を抜くわけにはいきません。また「子供たちが食事をしている20分間」は「絶好のお仕事タイム」ですので、むしろ仕事を一気に片付けるお昼休みという…。
子供達が帰ってからも、会議!会議!会議!で、自分の仕事ができるのは、午後9時から、、、なんてこともざらにありました。
勢いの中で働いているうちはいいですが、ある瞬間に、
「ところで、何のために働いているんだろう?」
と思ってしまったら最後です。
労働時間が長時間であるか否かがメインではなく、その仕事に「やらされ感」が多くなってしまうと、途端に気持ちが萎えてしまいます。人間は感情の生き物なので、長時間で働いていてもそれが自分が選択した結果であれば、むしろ快感ですらあると思います。(それでも働きすぎは健康を害しますが)
学校教員は「先生」である前に「組織人」ですので、組織を運営していくために必要な、そして誰もやりたがらない仕事が溢れています。
そんな仕事を打ちまくっているうちに、気づけば長時間労働からの「解放」を願うようになってしまいます。
機械的な異動制度に嫌気がさしたため
これは公立校の教員に限られる話だと思いますが、非常に機械的な異動制度のコマになってしまいます。
教育委員会の規模にもよりますが、一つの都道府県・政令市単位で数千数万の教員が雇用されています。その人たちを年度末の異動で一気に動かすためには、一人一人の希望を聞くことはできません。理由を一切尋ねられることなく、時に全く納得のいかない人事異動の餌食になります。
私自身、異動によって全く望んでいない職種になりました。「組織人」である以上、そしてそこから給料をもらっている以上、異動命令に従うしかありません。嫌なら退職すればいい話です。(結局、私は退職という道を選びました)
お金をもらっている以上仕方がない話なんですが、それでも「個人の希望」は一切考慮されない制度には違和感があります。
労働者も一人の人間であるので、自分の思いがあります。それを考慮されない制度はおかしいと思いますし、現場からは基本的に不安と不満しか上がりません。
自分の希望が通らない制度に嫌気がさして転職してしまう人もいます。
燃え尽きてしまったため
学校教員は肉体も頭脳も使いますが、それ以上に消耗するのが「感情」です。真面目に子供と向かい合っている先生ほど、自分の感情とダイレクトに向き合いますし、それはつまり自分の「感情」を消耗させてしまうことに繋がります。
また、教員を取り巻く環境には教員に物申したい外部環境が多数存在します。同僚の教員・管理職・保護者・過去担任した子・地域の誰か…その人たち一人一人が「教育」について必ず意見を持っているので、その感情を同時に多方面からぶつけられてしまうこともあります。
そして、気がつくと燃え尽きています。
物理的・精神的に余白がたくさんあれば休息&回復することも可能ですが、教員の仕事環境はそれを許してくれません。
燃え尽き方はそれぞれですが、私個人的な感覚(大都市圏の話)だと、各学校毎年一人は精神を病んで病気休暇からの転職という道を辿っていると感じています。
まとめ
- 長時間労働から解放されるため
- 機械的な異動制度に嫌気がさしたため
- 燃え尽きてしまったため
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