【学級崩壊】荒れたクラスを立て直した先生の話

学校教員時代、いくつもの崩壊クラスを見てきました。同じ学校で毎年2クラスくらい、他の学校の話も含めると、1地域1年間で十数クラスは崩壊しているのでは?と思っていました。

自分でも崩壊(気味)までクラスを崩してしまったこともあります。完全な崩壊には至らず、なんとか進級まで保ちましたが...。

自分で崩壊させてしまうことも辛いですが、前年度崩壊したクラスを受け持つ事になった先生も悲劇です。前年度の喧噪に乗せられて、そのまま事態を悪化させてしまうこともあるからです。

逆に、崩壊クラスを受け持ち、見事に立て直してしまう先生もいます。学校の環境や子供との相性なども要素としてありますが、見ていて共通していることは「一定の方法がある」ことです。

今回は、私が見てきた事例で、崩壊クラスを見事に立て直した先生の事例を、いくつか紹介します。

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「言葉を柔らかくする」ことで立て直した先生

崩壊クラスの子供たちは、学校での生活に期待をもっていません。

・また学校へ行って先生に叱られる

・勉強なんてつまんないし、やってらんないよ

・早く放課後にならないかな

・クラスは喧嘩が多いし、嫌だな...

子供たちの心身が落ち着いていない、落ち着かない環境なので「崩壊クラス」になります。そんな環境では子供同士のトラブル、大人と子供との間でのトラブルが頻発します。

普通の教員はそんな子供たちにどうやって対応するかというと、

・叱る

・強制する

・無理矢理やらせる

そんな「強制力」をもって、状況に対処しようとします。だから子供たちの心はますます離れていきます。

 

4年担任のA先生は、年度始めに崩壊したクラスを受け持ちました。そのクラスは3年生の時に、「強制力」を多用する前担任B先生の元で崩壊してしまったのです。

A先生がクラスを立て直すために取り組んだこと、それは徹底的に「言葉を柔らかくする」ことです。

大半の教員が「指導=強制」だと勘違いしています。そんな馬鹿な勘違いをする教員は、つい言葉がキツくなります。

最近はキツい言葉も「度が過ぎた懲戒」として体罰認定されるようになりましたが、それでも、

・お前、本当馬鹿だな!

・遅い!早くしろよっ!

・◯◯!(名前を怒鳴る)

・ふざけんじゃないっ!

・こんなこともできないのかよっ!

一般社会とはほど遠いのが、学校現場の実態です。こんな言葉一回でも使ったら、一般社会なら「パワハラ」「モラハラ」で一発退場を食らうのがオチ、ですが、

「教育的指導」

の美名の元、ハラスメントが横行しているのが教育現場の実態です。本当、ヒドい。

A先生は今までのB先生のやり方を止め、子供たちに向ける言葉を徹底的に柔らかくしました。これは「優しく」したのではありません。つまり、

「やめろっ!」→「今は、やめましょう。あとで時間を取ります。」

「早くしろっ!」→「急いでください。みんな待ってます。」

「馬鹿だな!」→「また後で、一緒にやりましょう。」

伝えるべきこと、指導すべきことは、しっかり伝えていることがポイントです。伝えるべきことを伝えないのでは、ただの「指導力不足教員」です。

ただし、そのやり方を「ひと工夫」しているだけです。直接的な言葉でないので、回りくどいのかもしれませんが、この方が結果的に子供によく伝わります。

子供といえども人間です。自分が認められれば嬉しいし、間違いも前向きに捉えて伸びていきたいと思っています。言葉一つで、そんな子供の「前向きな力」を受け止め、引き出すことができます。

 

A先生は自分が使う言葉を、徹底的に「柔らかく」しました。厳しい指導が必要な場面でも、子供たちの様子を観察しながら、ゆっくり丁寧に「なぜいけないのか?」「どうすればよいのか?」を話していきました。

前担任、B先生の影響が強く、始めはクラス全体も言葉が荒れている状況でした。しかし新担任のA先生が使う柔らかい言葉に、子供たちも感化されていきます。

クラスを受け持って半年が過ぎる頃には、子供たちの言葉も柔らかくなってきました。飛び交う言葉が柔らかくなると共に、子供たちの表情も明るくなります。それはそうですね。

「いつ、自分が怒られるか...」

そんなことを常に考えていたら、普通の大人でも気分が悪くなります。

A先生の「言葉を柔らかくする」指導は、子供たちの心も前向きに明るくしていきました。年度が終わるころには「学校で一番落ち着いたクラス」と評判が立つまでになりました。

「目標を立てる」ことで立て直した先生

クラスを崩壊させてしまう要因に「担任の指導力不足」もあります。

教員への風当たりが強くなる一方の現代では「保護者」「地域」「世間」に遠慮して、本来の指導が出来なくなっている教員がいます。また「昔は良かった」という、教員の言い分が簡単に通っていた時代を懐かしみ、やる気を無くしている年配教員も多数います。それが学校現場の現実だったりします。

そんな人たちは、何を考えるか?

「とりあえず、何事も問題を起こさずに過ごしていけばいい」

そう考えます。

問題を起こさない事は大切です。体罰や不祥事は、起こしてしまった教員より、関係する子供たちが心の傷を負います。様々な問題の芽を、事前に摘んでおくことは大切です。

でも、教員がやる気が無くなってしまうと、子供たちのやる気も無くなってしまいます。

 

教員歴XX年のC先生は、そんな先生でした。昔は厳しい事で有名だったそうです(本人が話しているだけなので...)が、現在は「全くやる気のない教員」になってしまいました。

子供たちはどうなるか?

学級運営をするにも、

「子供たちの自主性を尊重する」

というC先生の良い訳により、ルールが作られず、子供たちのトラブルは放置され...おまけに、授業は投げやりになってしまいました。

それでも、一応ベテランの風格があるので、子供たちはC先生の前ではおとなしいですが、先生が居ないところでは好き放題!特に、発言力のある男の子数名がクラスの流れを牛耳っている状態になってしまいました。

他の子たちは、その男の子たちに取り入ることで必死!だって、先生は全く関心を示さず、

「みんなの問題は、みんなで解決しなさい」

の一点張りです。結果、先生の話は子供たちに伝わらなくなり、授業中も一部の男の子たちがふざけ、他の子たちはしらける。先生も子供たちを無視して授業を進める...といった、ヒドい状態になってしまいました。崩壊の完成です。

 

進級して、このクラスを受け継いだD先生は、立て直し策として「目標を立てる」指導をしました。

内容はそこまで難しいものではありません。

・登校したら5人以上にあいさつをしよう

・チャイムが鳴ったらすぐに着席をしよう

・給食の用意を◯分内でしよう

など、当たり前のものです。ただし、

・出来なくても叱らない

・一人でも出来ていたら、大いに褒める

・一週間に1回程度、全員に(簡単に)目標を振り返らせる

目標を強制せず、時間をかけて子供たちの中に浸透していくようにしました。

時間はかかりましたが、3ヶ月を過ぎた辺りから子供たちの動きが目に見えるように変化し、半年を過ぎるころには、落ち着いたクラスに生まれ変わりました。

子供たちは、ただ漫然と学校に来ている訳ではありません。

せっかく来ているのだから「成長したい」「褒められたい」「楽しみたい」といった思いを、どこかにもっています。

D先生は、子供たちのそういった感情に寄り添ったことで、クラスの一体感を取り戻すことができたのかと思います。

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「遊びの要素」で立て直した先生

E先生は大変厳格な先生でした。

時間厳守、提出物の期限厳守、私語厳禁、大変厳しい懲戒...。

ちょっとでも先生の言うことに口を挟む子供に対しては、容赦なく怒鳴りますし、ほぼ全ての授業が一方的な講義型、チャイムが鳴ったらすぐ授業を始めないと気が済まなく、少しでも遅れた子供には容赦なく叱る...。

始め、子供たちはE先生を「恐れながら」従っていましたが、だんだん「慣れ」てしまい、次第に言う事を聞かなくなってしまいました。

恐怖感で人間を縛っても、上手くはいかないということです。

その後は、

子供が自由に振る舞う

→E先生が怒る

→子供が反発する

→子供がさらに自由に振る舞う→・・・

悪いスパイラルにハマり、学級崩壊していきました。

 

E先生は1年の途中で休職し、F先生が代わりに受け継ぎました。F先生は若手ですが、子供の気持ちに寄り添う指導方針をとる人でした。

F先生は「ビー玉貯金」をクラスで始めました。クラスで良い事があったら、ビー玉をバケツに入れ、それが一杯になったら遊びの時間にする...そんな貯金です。

また、遊びの内容も工夫しました。子供たちの希望も取り入れ、ドッジボールやドロケイといった定番系もやりますが、「グループエンカウンター」や「プロジェクトアドベンチャー」を取り入れた、

・誰も傷つかない

・お互いのことを知れる

・楽しい思いになれる

そういった遊びを、どんどん実施していきました。

効果は絶大!子供たちのまとまりも良くなり、クラス全体の雰囲気が明るくなっていきました。

ある程度、子供たちの様子が明るくなった時点で、F先生はクラスのルールの必要性を、一つ一つ子供たちと確認していきました。子供たちも、荒れることなくルールを守るようになりました。

それは当然のことで、

嫌な空間→その空間のルールを無視or破壊

良い空間→その空間のルールを守る

子供たちの中で、教室が「良い空間」になってきたことで、子供たちが自発的にルールを守るようになっていきました。

まとめ

崩壊したクラスを立て直した先生の方法

1 言葉を柔らかくする

2 目標を立てる

3 遊びの要素を取り入れる

実際は、どれか一つの方法で立て直すというより、様々な方法を複合的取り入れた結果、少しずつ前向きになっていくものです。

子供といっても、同じ人間なので、何が好かれて、何が嫌われるのか、よく観察することが立て直しの秘訣なのかと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

おーかど

元教職歴7年です。 教員時代は1年生から6年生の学級担任と特別支援教室の担任の経験をしました。子供達曰く「楽しくて恐ろしい?先生」だそうです。色々、叱り過ぎたかなぁ・・・。 妻と娘との3人暮らしです。 箱から出しまくったティッシュを静かに戻したり、散乱したおもちゃをけなげに片付けたり、腕を引っ張られてもだまって付いていったり、と、娘の育児に奮闘するイクメン・・・のつもりです。いや、ママには勝てません! 趣味は、サイクリングに読書に登山にスノーボードに、と目新しいものに片っ端から手を出しています。