【教員採用試験】目指せ合格!試験内容と特徴まとめ

学校の先生になりたければ、まず「教員採用試験」に合格することを考えると思います。

「学校の先生」といっても、様々な種類があります。大きく雇用先で分けると、

・国立学校→「国立◯◯学校」主に大学や高等専門学校、大学付属学校など

・公立学校→「都道府県立」「市町村立」の小中高校など

・私立学校→「学校法人」が運営する学校

以上、3つに分かれます。

このうち「公立学校」の先生の採用を決めるのが「教員採用試験」です。

 

先生といっても国立や私立の先生もいるのに、なぜ「公立学校の先生になるための教員採用試験」が一般的なのか説明します。

ちょっと古いですが、文部科学省のデータ(「私立学校の振興」平成22年5月1日現在)によると、面白いことが分かります。

国立 公立 私立 合計 私立の割合
大学 86 95 597 778 76,7%
短期大学 0 26 369 395 93,4%
高等専門学校 51 4 3 58 5,2%
高等学校 15 3,780 1,321 5,116 25,8%
中等教育学校 4 28 16 48 33,3%
中学校 75 9,982 758 10,815 7,0%
小学校 74 21,713 213 22,000 1,0%
特別支援学校 45 980 14 1,039 1,3%

※数字は学校数

また、学校種別を割合にしてみますと、

学校種別 学校数(校) 割合(校種数/全体数)
小学校 22,000 54.7%
中学校 10,815 26.9%
高等学校 5,116 12.7%
特別支援学校 1,039 2.6%
大学 778 1.9%
短期大学 395 1.0%
高等専門学校 58 0.1%
中等教育学校 48 0.1%

 

ここまで、分かったことをまとめると、

・小学校と中学校が「学校」の8割を占める

・小学校と中学校のほとんどは「公立学校」

・「公立学校」の先生を採用するのが「教員採用試験」

学校の規模によって職員数は異なるので、ものすごく単純な結論になりますが、

 

先生になりたければ、教員採用試験を受けるのが一般的

 

ということが、分かって頂けるかと思います。

日本にいるほとんどの「学校の先生」は、この公立学校の先生(しかもほどんど小中学校)になるので、それになるための試験を突破することが「先生」への近道となります。

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試験の内容

教員採用試験は、基本的に人事権をもつ自治体ごとに行われます。

ここがややこしいのですが、公立学校職員は特殊な立場で、

①カリキュラム(大まかな仕事内容)について→国に従う

②人事(給料体系や異動など)について→都道府県と政令指定都市に従う

③実際の仕事や研修について→学校の設置者(大半が市区町村)に従う

→「国」「都道府県(政令指定都市)」「市区町村」の、3つに属す不思議な立場なのです。

このうち、先生の人事に関しては都道府県と政令指定都市が権限をもっていますので、自分が働きたい場所の試験を受けることになります。

<例1>和歌山県和歌山市の先生になりたい。→「和歌山県」が実施する採用試験に合格する必要があります。そして和歌山市を配属希望先に選びます。もちろん、それが通る保証はありません。「和歌山県」内、全ての自治体に配属される可能性があります。

<例2>神奈川県横浜市の先生になりたい。→「横浜市」の採用試験に合格する必要があります。横浜市は「政令指定都市」なので、神奈川県の一部なのですが、試験は横浜市独自に行われます。一度、横浜市の先生になると、異動は横浜市内に限ります。他の神奈川県へ異動することは(人事交流などの特殊な場合を除き)ありません。

自分が働きたい場所によって、採用試験が異なります。試験が異なると傾向や、採点基準も変わってきますが、試験の内容と進め方は、ほとんどの自治体で同じです。

1次試験と2次試験に分かれる

試験は毎年7月ごろに行われる「1次試験」と、8月ごろに行われる「2次試験」に分かれます。この2回戦を突破した人が、晴れて正規の「先生」になることができます。

1次試験は筆記試験

1次試験は主に筆記系の試験です。(一部自治体によっては、1次試験で面接も追加されることがあります)

自治体によって筆記試験をどこまで重視するのには差がありますが、教職に関する一般的な教養があるか否かを、まずはここでスクリーニングされます。

「教職教養」「科目教養」「論作文」

1次試験での筆記科目は「教職教養」「科目教養」「論作文」が一般的です。

「教職教養」は、教育原理、教育心理、教育法規、教育史など、教職に就く者が一般常識として知っておくべきことが出題されます。...現場に入ったら、ほとんど(そのままでは)使えない知識たちなのですが。法律なんて毎年変わっていくので、この時点で出題されるのは「教育基本法による教育の定義」「学校教育法による学校の定義」など、基本的に変化が無いものに限られます。

「科目教養」は、受験科目に関する一般教養が出題されます。例えば「小学校」受験者ですと「小学校全科」(小学校で教える科目についての一般教養)、「中学校社会科」受験者ですと、「社会科」(地理・歴史・公民の3分野から幅広く)といったように、自分の受験校種について出題されます。教員免許を取る過程で、保有の免許状の科目は十分?に学んでいるはずなので、科目自体は難しくないと思います。

「論作文」とは、最近の教育事情についてのテーマが与えられ、それに関して800字〜1600字程度で小論文を書く試験です。この対策法については、別記事に詳しくまとめたので、そちらをお読みください。
https://o-kado.com/schoolteacher/exam/essays.html

2次試験は面接や実技

1試験を突破すると、その1ヶ月後に2次試験が行われます。

2次試験は「集団面接」「集団討論」「個人面接」や「実技」が行われます。

私が現職教員だったとき、教員採用に関わっている教育委員会の担当の方と話をしたことがあるのですが、その方に「同じ公務員でも一般職の公務員と教職員は違う。一般的な公務員は競争で選ばれるけど、教職員は選抜で選ばれるんだ。つまり、教員の方が人物重視ってことなんだ。」と教えてもらいました。

つまり、教員採用試験においてどうしても比重が大きくなるのは、ペーパーテストでは分からない、その人の「人となり」が見える2次試験だということです。

「集団面接」「集団討論」「個人面接」

「集団面接」は3〜6人くらいが一つの部屋に集められて、一つの質問に対して順番に自己主張をしていくという形です。この面接の辛さは、他の受験生より良い答えを言おうと頑張ってしまうことです。ついつい「オリジナリティ」を出そうとして、自分らしくない答えを言ってしまう...そんな怖れがあります。いかに、自分を乱さずに乗り切れるかが、勝負だと思います。

「集団討論」とは、与えられたテーマに対して、自分の立場を明確にしてから主張したあと、同じグループ内で意見交換をしたり、質問をぶつけたりする形が一般的かなと思います。この面接で見られるのは「集団の中で、その人はどのような位置にいくのか」です。発言の内容そのものよりも。学校教員、と言っても公務員ですので、主張し過ぎず、かといって埋没しすぎず、そんな位置を上手く取れると、よい印象なのかなと思います。

「個人面接」では、受験をしようと思った具体的動機や、作成してきた指導案についての質問、自分の面接表に対しての質問、具体的な場面を提示されてその対処法を聞かれる、、、などなど、自分一人に対して様々な質問がされます。教員採用試験全体での、メインイベント的な面接です。

やはり「個人面接」重視か

これも私が現職のときに「2次試験の試験官をした校長先生」に話を聞いたのですが、2次試験で大きなポイントとなるのは、個人面接での印象だそうです。採用試験自体が「人物重視」にすると決まっていますので、人物のことがよくわかる「個人面接」のウェイトがどうしても大きくなるのでしょうか。

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試験の特徴

自治体によって変わる「筆記重視」or「面接重視」

採用試験を実施する自治体によって、重視するポイントは大きく変わります。

平成24年度実施の教員採用試験のデータによると、

筆記重視の自治体(沖縄県):1次合格率(16%)→2次合格率(75%)

面接重視の自治体(神奈川県):1次合格率(70%)→2次合格率(40%)

※出典:データえっせい「教員採用試験の選考過程」

※数値は当サイトで多少加工してあります。

その自治体によって、差があることが分かります。受験する自治体が「1次(筆記)試験重視」なのか、「2次(面接)試験重視」なのかを見極めて対策をする必要があります。

2次試験対策が鍵

とは言っても、対策の鍵は「2次試験」になります。理由は、

・1次試験は一人でも対策が出来るが、2次試験は人が集まらないと本格的な対策ができない。

・知識的なことは集中的に対策できるが、コミュニケーション的なことは時間をかけて慣れていく必要がある。

・実技も、時間をかけて練習する必要がある。

管理人が受験した時の経験ですが、順番的に「1次」「2次」と対策を行っていた人は、2次で落ちていた気がします。なぜなら、圧倒的に「2次対策」が少ないんです。

出来るだけ早くから面接・実技対策を

ということで、教員採用試験対策の鍵は「2次」です。さぁ、受験対策をしよう!と思い立ったら、

・受験仲間をつくる。

・受験んする自治体の傾向を探る。

・仲間と一緒に2次対策(面接・実技練習)を始める。

・対策が軌道に乗ってきたら、1次試験の勉強も少しずつ始める。

こんな感じの順序でOKだと思います。

落ちても「先生」になれる

あまり縁起のいい話ではありませんが、採用試験は「正規教員」を採用する試験です。教育現場には「非正規職員」もたくさんいます。代表的なのは、

・産休代替教員

・臨時採用教員

・非常勤講師

などです。各自治体によって呼び名は異なりますが「非正規」である教員に対する、一定の需要は必ずあります。

これには理由があって、教員の定数、つまり採用試験で何人採るのかは、自治体が好き勝手に決められないんです。正規教員の給与の3分の1は「国」が払います。なので、正規教員数を何人にするのかは(自治体からの調整もありますが)最終的に「国」が決めます。

でも「そんな大きなレベルで決められても、現場は(子供が急に増えたり、現職の先生が突然退職したりと)人が足りないよ!」となったときに、採用自治体ごとに「臨時で非正規教員」を雇うことになります。

これが大きな仕組みです。だから「非正規教員」に対する需要は、無くなりません。試験が不合格であっても、先生としての雇用を望む限り、多くの人が教壇に立てるのは、こういった事情があります。

ただし「非正規教員」の任期は1年間で、その後は毎年継続されるか否かが決まる仕組みですし、給与昇進も「正規教員」に対して低いです。同じ仕事をするなら、圧倒的に「正規教員」の方が待遇がいいですので(それも変な話なのですが)やはり、試験合格を狙っていった方が良いと思います。

再チャレンジは何度でも

これは首都圏の自治体に限る話かと思いますが「教員人材不足」が続いています。

なぜかと言うと、

・子供の数が増えている(首都圏に限り)

・教員数が多い高齢職員の退職

・これから新たに教員になる若者の減少(少子化という側面と、教職が避けられている側面)

・近年、大量に採用した世代が「結婚適齢期」を迎えた。→つまり「産休」に入る教員が激増

首都圏に限る現象かもしれませんが、こんな感じで人材不足傾向にあります。

また教員の中でも「小学校教員」は免許を取るのが大変&取れるところが限られていることから、免許保有者自体が少なく、採用は「超売り手市場」状態(全ての自治体とは限りません)が続いています。

困った自治体は、

・受験年齢の大幅な拡大

・非正規教員の拡充

・とにかく、免許を持つ人をリクルートしようと必死

とある自治体の話ですが、ある一定の教職経験があれば受験資格は「59歳」だそうです。合格して1年後に定年退職を迎える...。アホみたいな話ですが、それだけ教育現場は人材不足なのです。

 

だから、落ちても大丈夫!今の状況では、何度でも正規教員になれるチャンスはあります!

今はとりあえず、自分がやれることをやってみてください!

まとめ

と、いろいろ書きました。どんな試験にも言えることですが「傾向と対策」が重要です。

教員採用試験は、一般的な試験と似ているところもあるし、教員を採用するということで、ちょっと特殊な面もあります。

自分が受験する自治体の特徴を見極めて、効果的な対策をおこなって、合格を狙いにいってください!がんばれ!

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ABOUTこの記事をかいた人

おーかど

元教職歴7年です。 教員時代は1年生から6年生の学級担任と特別支援教室の担任の経験をしました。子供達曰く「楽しくて恐ろしい?先生」だそうです。色々、叱り過ぎたかなぁ・・・。 妻と娘との3人暮らしです。 箱から出しまくったティッシュを静かに戻したり、散乱したおもちゃをけなげに片付けたり、腕を引っ張られてもだまって付いていったり、と、娘の育児に奮闘するイクメン・・・のつもりです。いや、ママには勝てません! 趣味は、サイクリングに読書に登山にスノーボードに、と目新しいものに片っ端から手を出しています。