公立学校の先生には異動があります。
学校に通っていた時に、ありませんでした?「離任式」?
あれです。先生が次の勤務校に異動するやつです。
公立学校教員は「地方公務員」なので、地方公務員の人事異動に則った異動があります。
とはいっても、同じ教育職の中での異動です。もっと言うと「学校が変わるだけ」の異動が原則です。
スポンサーリンク
目次
異動の仕組み
勤務自治体によって異なる
異動の詳しい仕組みは、勤務自治体によって全く異なります。
・「◯◯県採用教員」←その県全体での異動 同じ学校には原則4年勤務
・「××県採用教員」←1つの地区内での異動 同じ学校には原則6年勤務
などなど、色々です。自治体の数だけ異動の種類があると思いますので、全ては把握しきれません。この記事では、あくまで「一般的」な話になってしまいます。具体的な事は、それぞれの自治体の様子を直接調べてください。
基本的に同じ学校には3〜6年勤務。だけど・・・
1年ごとに学校が変わる...といった自治体は聞いた事がありません。ほとんどの公務員が「3年経過以上で異動対象」なにで、教員も同一校に3年勤務で異動対象になります。
ただ、一般職の公務員が幅広い業務の中で異動を繰り返していくのに対し、教員はあくまで「教育職」の中での異動ですから、異動しても職務が変化することは(基本的に)ありません。←管理人は例外でしたが,,,→【教員の休職】小学校の先生が適応障害で休職するまで
その学校の地域や子供の状況、業務内容に精通していかないと仕事がしずらい職でもあるので、自分がその学校に合っていれば、自然と6年以上勤務していくことになります。
学校側としても、
「地域の有力者と繋がりのある◯◯先生を手放すのは惜しい」
「◯◯先生がいないと、この行事が回らない」
そんなことがあったりするので、より長く勤務している教員ほど、異動してほしくない事情もあります。学校組織は、比較的少人数の職員で、多大な職務を回していくので(だから「残業多」「ブラック学校」なのですが...)一人欠けるだけでも、色々と円滑に行かなくなってしまうことがあります。
ですので「満期は◯年、だけど1〜3年延長」なんてことが、自然と起きます。
異校種間異動も、自治体による
異校種間異動とは、
「小学校教員→中学校教員」
といった異動です。無い訳ではないですが、これも自治体によります。
管理人が以前勤務していた自治体は、都市部の比較的大規模なところだったので、
「小学校籍の教員は小学校のみの異動」「中学校籍の教員は中学校のみの異動」といったように、原則、異校種間異動を認めない雰囲気がありました。それでも異動したければ「辞めて受け直しな」みたいな感じで。
しかし、管理人の友人Aが勤めている自治体は違います。
Aは小学校免許のみで「小学校教員志望」として試験に合格し、その自治体で働き始めました。働き始めた最初の研修(面接?)で、
「小学校免許しか持っていない人は、中学校免許も勤務しながら取得してください。良い通信制大学を紹介します。費用は補助します。」
そんなことを教育委員会の研修担当者に言われて、仰天したそうです。調べてみると、その自治体は「小学校と中学校の壁を無くして異動」する自治体のようで...ほどなく中学校免許を取った友人は、最初の異動でばっちり中学校へ異動していきました...。
スポンサーリンク
異動の功罪
人間関係をリセットできる
一つの学校で長く教員を続けていると、様々な人間関係に巻き込まれます。
子供や保護者と人間関係を構築して、その中で仕事をするのが教員なので、嫌でも人間関係の様々な問題に巻き込まれます。自分は何もしていないのに、いきなり保護者から批判されたり、1、2回会っただけで子供から嫌がられるようになったり...(何かしてしまったのかも、しれませんが...)
もちろん、長く勤めることで、良い人間関係を築くこともできます。
・「また、担任になって!」と、せがんでくる子供たち ・「先生のクラスでよかったです」と言ってくれる、保護者 ・「何か困ったことがあったら、何でも言いな」と言ってくれる、地域のおじさん達 ・「次は、あの店にいこうぜ!」と、誘ってくれる用務主事さん(学校設備のメンテナンスをする人たち) ・「先生の授業、大変勉強になりました!」と言ってくれる、可愛い後輩たち ・「次は高学年担任だな!大変だけど、がんばれよ!」と厳しく優しく励ましてくれる管理職や先輩たち ...今、思い出しても、自分は人間関係に恵まれたなと思います。ヒドいときもたくさんありましたが。 しかし、良いも悪いも含めて「一カ所の人間関係」に浸かっていると、次へ進めなくなってしまいます。 異動、という仕組みがあるおかげで、様々な人間関係をリセットして、次の場所で気分新たに仕事を始めることができます。 新しい学校では、当然新しい役割が期待されます。 同じ小学校の先生でも、 ・学校の周囲の環境 ・地域の状況 ・子供の様子 ・保護者の傾向 ・職員の組み合わせ など、様々な変数によって、仕事のしやすさが変化していきます。 同じ事をしているのでも、一旦自分が慣れた環境から離れてみると、今までの自分の仕事を客観視することができます。 「新しい現場に対応する」 「今までの自分の仕事を振り返る」 この2点が、異動した先生をさらに成長させるのではないでしょうか。 管理人がそうでした...。 軽いパターンであれば、 「学級担任」→「専門教科担当」 「主担任」→「副担任」 ですが、 「通常級」→「特別支援級」 というパターンもあります。 異動前に希望は出せますが、あくまで「希望」ですので、それが通るとは限りません。異なる職種になっても、何とか対応することが求められてしまいます。 これは、ケースバイケース、各自治体によっても対応が分かれるところです。 世の中の流れから育児や介護の事情が職務上考慮されることが、多くなってきましたが、人事の運営上、必ずしも事情が考慮されるとは限りません。 どの自治体も、表向きは「考慮しますよ!」と、ホワイト感出しているんですけどねぇ...。中身は漆黒のブラック企業だから...。 人事に絶対はないし、自治体が変われども「巨大企業」であることには変わりないので、一人の希望が通るかどうかは、分かりません。 先生の人事異動について、まとめてきました。 「人事に絶対はありません」 管理人も、教員になった当初の想定キャリアパスが人事異動によって崩れてしまった一人ですので。 ただ、もう少し異動に関する情報や希望の通り具合が透明化されると、いいんだけどなぁ...なんて思っています。 スポンサーリンク自分のスキルアップが望める
まったく畑違いの職種になることも
育児や介護の事情が考慮されるか?
まとめ
コメントを残す