先生には時間がありません。
日々の授業や生活指導、放課後に何人かの居残り勉強を見ていたら、保護者から電話がかかってきて、話し終わると18時を過ぎていて、さぁ、これから明日の授業準備と行事計画の起案をして...。
私は元小学校教員なので経験は無いのですが、中学校の先生はここに部活動指導が加わって土日も潰れ...。
本当に、全国の先生方、お疲れさまです!先生方のお仕事に頭が下がります!
私も教員時代、仕事をこなしてもこなしても次々と押し寄せてくる、打っても打っても球が飛んでくる終わらないバッティングセンター状態になったことがあります。
残業時間は...どれくらいだったのでしょうか?詳しい時間は忘れましたが、仕事ができなかった初任者時代は「仕事を時給に換算したらコンビニより安い」状態だったのを覚えています。
そこから少しずつ仕事のやり方を考え、4年目くらいには、ほぼ定時出勤&退勤ができるようになりました。たまたま、恵まれた地域&同僚だったということだったのかも、しれませんが。
今回は、その時の時短術から「文書を見分けて仕事をする」やり方をまとめました。
先生は(特に公立学校教員は)意外と文書仕事が山積みになります。「学校は紙と文字で動いている」といっても、大げさではありません。
その文書に関する仕事術を見直す事で、仕事の効率化が図れるようになります。
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公簿と個人情報を扱う文書
まずは公簿です。公簿とは、その存在が法律や条例などで、法的に決まっているものです。ですので、自分勝手に様式や内容を変えることは許されません。
一般的な先生が扱う公簿、または公簿に近い役割の書類には、
・出席簿
・指導要録
・在学証明書
・教科書給与証明書
・健康診断に関する表簿
などです。他にも「出勤簿」や「職員名簿」などがあるのですが、ほとんどは管理職が関わるものなので、一般の先生は自分の仕事としてそれらの書類を扱う事はありません。
また、公簿では無くとも個人情報を扱う書類、例えば
・通知表(成績表)
・電話連絡網
なども、公簿と同じ扱いで仕事を行います。
先生の仕事の中でも、公簿や個人情報を扱う時は要注意です。なぜなら、
「無くしたり破損したりしたら、最悪、処分の対象になる」
からです。笑って「ごめんなさい」では済まされません。
ですので、私は公簿や個人情報を扱うときは、次の条件を整えることをマイルールにしていました。
・周囲に何も置かれていない空間で作業をする。
・すき間時間には、絶対に行わない。最低でも作業に20分の時間を充てられるようにやりくりする。
・自分が疲れている時には、絶対に作業を行わない。
・緊急時以外、作業は中断しない。やむなく中断するときは、きりが良いところまで行い、全て片付ける。
・公簿を新規作成する時は、必ず見本を用意し、形式を確認しながら行う。
・判(特に公印)が必要な文書の時は、押印前に必ずコピーを取っておく。
といったことです。つまり、
・間違えない
・無くさない
・一回で終わらせる
です。こういったルールを徹底することで、結果として公簿や個人情報に割く時間を減らすことができます。
保護者や地域に出す文書
2つ目は保護者や地域に出す文書です。これは1つ目の公簿や個人情報系書類より1ランク気持ちの中で下がります。
このような文書には、
・学校だより
・学年(学級)だより
・集金のお知らせ
・校外活動のお知らせ
・その他、学校での活動を伝えるおたより
以上のようなものが該当します。公簿や個人情報系文書と違い、間違っても無くしても「即、懲戒!」とはなりません。しかし、一人の先生が作成するものであっても、保護者や地域からすれば、
「学校からもらった文書」
となるので、
・文章におかしな点はないか
・誤字や脱字はないか
・時期や内容は子供の活動に合っている文章か
といった点に注意すべきです。
この文書を扱うポイントは、ただ一つ
「さっさと他の先生に回す」
です。
なぜなら、以上のように「学校を代表して読まれる文書」ですので、外に出る前に様々な人の目を通した方がいいので、一人の担当教師としては、時間も思いも余りかけずに「さっさと」他の先生に添削をお願いした方が、懸命だからです。
どうせ、自分一人で「熱く想いを込め」たところで、他の先生(特に管理職に回覧するのは絶対)に手を入れられて、自分が拘った部分はあっという間に消し飛ぶのがオチ、ですので、この手の文書に時間をかけてはいけません。
最低限の日時や内容が間違っていなければ「さっさと」他の先生に回覧してしまうのが懸命です。
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子供に渡す文書
3つ目は子供に渡す文書、学級担任では「学級だより」をはじめ、クラス内で配布する文書やプリントがこれにあたります。
先生の仕事として、この文書の作成に最大限の時間をかけたい...ところですが、中々そうもいきません。
ですが、この文書には、自分の想いや考えをできる限り盛り込むべきです。時間をかけて。
なぜなら、先生の仕事とは「子供の成長を導く活動」ですので、それに直接関わってくる文書には、最大限度の時間をかけるべきです。
時間をかけるべき理由は、この文書のみが持つ、ある特徴でも説明できます。
それは「複利的効果」が期待できることです。
「複利」とは金融用語で、簡単に言うと「預けた資産が100,110,120,130・・・ではなく、100.200.400.1000.5000・・・」といった感じで増えていくことを言います。(詳しくはご自分で勉強してください)
他の文書は「その場限り」や「様々な人の手入れで匿名的」、「誰でも同じ形式」といったものになりますが、授業や学級運営などで子供に対して配布する文書は「自分オリジナル」「想いがこもったもの」になります。
それを出すことで「子供との関係が良くなる」「学級運営が円滑になる」「先生自分自身の学びになる」といった効果があります。
つまり、1枚の文書の効果はその1枚限りではなく、1枚が何十倍にも何百倍にも膨れ上がって、先生の仕事を助けることになります。
また「使い回し」「リニューアル」も可能です。私も自分自身が想いを込めて作った文書には、何度も助けられました。
昔、学級運営で悩んでいたころに、子供に対して出した学級だよりが、数年後、同じ悩みに当たった時に自分の道しるべとなったこともあります。
そんな「複利的効果」をもたらしますので、子供に対する文書には、出来る限りの想いと時間をかけるべきです。

校内でまわす文書
今まで3つの文書を見てきましたが、最後は校内文書です。これには、
・校内生活指導に関する了解事項
・行事運営に関する文書
など、教員同士の連絡や確認のために、使われる文書です。
この文書を作成するポイントは一つです。
「徹底的に手を抜く」
です。
内部の職員同士が了解できればいいものなので、多少の誤字脱字や文章のねじれはどうでもいいです。内容に矛盾があっても、いつでも訂正できますので、何となく流れができていればOKです。
とにかく、この手の文書に時間をかけてはいけません。
そして「仕事ができない」「仕事が遅い」先生は、この手の文書に時間をかけます。
「時短術」を実践するのであれば、そういった先生たちに構ってはいけません。
まとめ
時短のための文書術
1 公簿、個人情報系文書 ←細心の注意を払う
2 保護者や地域への文書 ←さっさと他の先生に回す
3 子供に渡す文書 ←時間ををかけて「複利効果」を
4 校内文書 ←一切、時間をかけてはいけない
先生の仕事は様々な文書との闘いでもあります。子供たちに関する仕事時間を少しでも増やすために、そして自分のワークライフバランスのために、文書仕事を上手くこなしていってください。
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