学校現場にいたとき、様々な人の授業を見ました。もちろん、自分でも数々の授業を行っていきました。
その中で、やはり授業には「上手い下手」があることに気付きました。
自分では「上手く」やっているつもりでも、授業を見ていた人から意見をもらうと、致命的な失敗をしていたり、
逆に自信満々で授業をしている人の授業でも「これは違うよなぁ〜」と思わされる場面があったりと、
自分では意外と分からなくなっている場合が多いです。
そんな授業でも、何年かやっていると、
「さすがにこの点を外すと失敗する」
というポイントが分かってきました。
結局は「誰が受けるか」「何をねらうか」「内容はどうするか」などの要素によって、失敗ポイントは変わってくるのですが、
ある程度の共通点があることも確かです。
今回は、その点を5つまとめてみます。
スポンサーリンク
話が長過ぎる
学校の授業に関わらず「人が集まって何かをする」イベントに関して、大きな割合を占める失敗ポイントはこれです。
主として、場を動かす人(学校なら教師、会議なら議長など)の話が長いと、その集まりは失敗に終わります。
なぜか?理由は2点あります。
1つは、それによって参加者のやる気が低下していくからです。
人間、心から望んで聞きたい話はそんなにありません。そもそも、その時の関心によって変わっていくものです。
それなのに「学校」では、無条件に着席して教師の「興味がわかない」話を聞かされる。
これが5分なら我慢出来ても、数十分続くのは苦痛でしかありません。
2つ目は「ラーニングピラミッド」の研究結果によるものです。
詳しくは、別の記事にまとめたので、お読みください。
簡単にまとめると「聞く活動から得られるものは、ほとんど無い」ということです。
「話を聞く」時間そのものは、ほぼ学習者には残らない、つまり無駄です。
以上2点の「負の効果」より、長い話は授業そのものを壊します。
流れに無理がある
一つ一つの活動の関係性が薄かったり、そもそも無かったりする場合です。
例えば、国語の授業で物語を音読しただけなのに、その後に一人ずつ感想の発表を求めたり、理科で手順も説明していないのに実験を始めたり...。
「そりゃ、むちゃだ!」
って授業、意外とたくさんあります。
教師は授業を準備する中で、その授業に対して詳しくなります。
詳しくなると「この部分は飛ばしても大丈夫だよね」と、細かな部分にたいして注目しなくなります。
けど、実はその「細かな部分」こそ、授業を受ける子供が気になる部分であり、引っかかる部分であることが、よくよくあります。
たまにする失敗ならいいのですが、元々そんな細かな部分に気を払わない授業をしてしまうと、失敗の確率が大きく上がります。
時間配分がめちゃくちゃ
「授業が始まって40分、先生の長話が終わったと思ったら、残り5分で感想をまとめて発表するの!?」
「30問を5分でやれって...むりだよ...。」
授業時間は決まっています。その枠の中で授業を終えなければなりません。
時間配分がめちゃくちゃだと、そもそもその授業は失敗したことになります。
こういった例、結構よくある話です。
人間、自分には甘く他人には厳しいですので、教師にとって自分の活動である「話す・見せる」は長めになりがちで、他人の活動である「書く・考える・まとめる」は短くなりがちです。
スポンサーリンク
活動が一方的
「この授業、先生の話で終わっちゃった。」
「さっきから、ずっと子供たちが相談してばかりだけど...。」
活動が一方的で変化が無いものも、失敗しやすいです。
一つの活動が長すぎると、どうしても飽きやダレがきてしまいます。
集中力に欠けては、良い授業は成立しません。
それを防ぐため、子供の興味を引き出すためにも、変化を付けた構成が必要だと思います。
時には「ひたすら◯◯する」授業も良いんですけどね。(私もよく「書きまくる」「読みまくる」「話まくる」ような授業をやりました。)
結局、何をやったのか分からない
「それで、この授業は何だったのかな?」
「先生は何がしたかったのかな?」
見ている大人にも、受けている子供にも、そう思われてしまったら最悪です。
その時間、何もしなかったのと一緒ですから。
構成や他の部分が未熟でも、
「◯◯をした!」「◯◯が分かった!」
こういった達成感を子供にもたせることが必要です。
まとめ
授業を失敗する5つのポイント
1 話が長過ぎる
2 流れに無理がある
3 時間配分がめちゃくちゃ
4 活動が一方的
5 結局、何をやったのか分からない
授業はいきなり上手くいかないし、ベテランでも気を抜いていると失敗します。
大切なのはポイントを押さえた上で「成功の打率を上げていくこと」だと思います。
何かの参考になれば、嬉しいです。
スポンサーリンク
コメントを残す