学校の先生になるために、必ず教員免許が必要です。
その教員免許を取得するためには、これまた必ず「教育実習」をする必要があります。
教育実習そのものについては、別の記事にまとめますのでそちらをご覧ください。
今回は、教育実習で「学べること」をまとめました。反対に「学べないこと」も別記事にまとめましたので、そちらも合わせてご覧ください。
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学校現場のリアルな体験
どんな現場にも共通することですが、学校現場も「入ってみないと」分からないことが山ほどあります。
教育系の大学で学ぶことは「理論」だったり「限定的な実践法」だったりして、実際の現場で使えないことが大半です。
そもそも、大学には指導対象である子供がいませんので、子供たちとの距離の取り方や授業の仕方、学習や生活の指導は、実際にやってみないと分かりません。絶対に。
そして重要なのが、現場はキレイゴトだけではないことを、体感できることです。
実習生は実習にあたって、学校現場に何らかのプラスイメージをもっていきます。しかし、その大半は裏切られます。
「楽しい授業をして子供たちを喜ばせるはずだったのに、自分でも分かるくらいヒドい授業しかできなかった」
「子供たちとよい関係を築いて慕われる先生になるはずだったのに、実際は関係をうまく築けず子供とも対立してしまった」
そんなことが、普通に起きます。
教育実習にあたって学校に持ち込んだイメージは、ほとんどひっくり返されるか叶わないと思った方がいいです。その代わり、自分が思ってもいなかったことが出来たりします。
「無口で子供とうまく関係を築けるか心配だったのに、意外と子供たちに慕われた」
「授業をするのが苦痛だったけど、教材研究をやってみると面白い」
そんな感じで「意外な自分」を発見することができます。
教育実習は長くても1ヶ月程度ですので出来ることは本当に限られますが、それでも生の現場に触れることで、自分の中で何かを変化させることができると思います。
指導教員から学ぶこと
実習中は、必ず一人の指導教員に付いて教えを受けます。
そして、その指導教員の学級付きになり、学級の様子や指導方法を学ぶことになります。
指導教員から学ぶことは大きいですが、主に、
・子供を前にしたときの立ち振る舞い
・子供たちへの語り方
・授業の進め方
・一人一人への学習指導のやり方
・教室や授業環境の整え方
といったことを学びます。
先生の仕事は大きく分けて「対 子供」「対 他の教員」「対 保護者や地域」の3つに分かれます。
この3つが出来て一人前なのですが、教育実習では「対 子供」の仕事しか体験できませんし、見ることもほとんどこれです。そして、その「対 子供」を学ばせてもらう空間が、指導教員の学級だったり、指導教員との会話だったりします。
様々な人が指導教員になるので、あくまで一般論ですが、教員歴10年目前後くらいの中堅教員がなる傾向にあります。もちろん、超ベテランの方がなることもあります。
指導教員、と言っても同じ人間なので完璧ではありません。指導方法や子供との関係づくりに「くせ」があり、実習生から見ても「あれっ?」と思うことがあるかと思います。
実習生としては「学ばせていただく」気持ちは大前提としてありながらも、
「このやり方でいいのかな?こっちの方が、もっといいんじゃないのかな?」
「この先生のここがくせだな。何でこだわるのだろうか?」
と、客観的に相手と付き合っていくことが大切です。一歩引く、くらいが丁度いいのかもしれません。
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リアルな学習指導案の作成
「学習指導案」は授業の組み立てや流れなどがまとめられたものです。
大学の授業でも指導案を書く作業があるかと思いますが、実習で書くものとは大きく異なります。
それは、指導対象の子供がイメージされることです。大学での指導案には子供がいません。ですので、どこまでいっても架空の構想物です。
実習では、今まで自分が接してきた子供たちが指導の対象です。その子たちをイメージしながら「どんな展開がいいのか?」「どんな内容が合ってるのか?」など、考えながらまとめることができます。
指導案の形式やまとめ方は、実習先の学校や指導教員の方針でまちまちですが、実際の現場の先生がまとめている指導案に触れることは、大きな刺激になります。
詳細な指導案を立てることになるかと思いますが、実際の現場では毎回毎回、緻密な指導案を立てることはありません。ただでさえ時間が少ないのに、一つ一つ詳細に検討していたら、仕事全体が回らなくなってしまします。
大学の「理論」先行の指導案とはまた異なる、「実務」先行の指導案の立て方を学ぶことができます。
「先生」としての体験
色々書いてきましたが、これが一番なのかと思います。
やはり「先生」と呼ばれる体験が一番大きいです。
今まで指導を「受ける」立場だった人が、指導を「授ける」立場に変わること。
そこから来る「責任」「不安」「達成感」「焦り」など、今まで体験したことがないものばかりだと思います。
子供の前で「常に見られている状態」からくるプレッシャーも大きいと思います。見られているからこそ、自分の立ち振る舞いや口から出る言葉の一つ一つに気を使っていかなければなりません。
そういった今まで体験したことの無い、未知の状態を受けて、自分はどのように振る舞うのか。
当然、短い実習期間では答えは出ませんが、色々と試行錯誤することと思います。
まとめ
教育実習で学べること
1 学校現場のリアルな体験
2 指導教員から学ぶ
3 リアルな指導案の書き方
4 「先生」と呼ばれる体験
長くても1ヶ月程度の短い期間ですが、自分の教員人生の「原点」になりますので、誰もが鮮明に思い出せる期間になるかと思います。
管理人は「実習指導教員」として、何人かの実習生を指導した経験がありますが、それでも教育実習と言われて真っ先に思い出すのは自分の実習です。あの、何とも言えない「上手くいかなかった」「子供とぎこちない関係になってしまった」「指導教員に叱られた」経験です。
実習生それぞれに様々な体験をすることになりますが、その一つ一つが教員としての原点になりますので、無理せず、出来る限りのことを、精一杯頑張ってください。
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